母の誕生日でしたの｡

とく子さんのエントリーを挙げた日は｡
とく子さんの事書いてる場合ちゃうやろと｡
そんな感じでもあったわけですが
まあよいよ。
母の誕生日だからってって
おセンチな文章書いたり
嗜好を凝らして、ハートウォーミングな文章を書いたりね
そういうのも、いい加減アレだろ｡みたいなね。

とはいえ
貧乏ながらも
頑張って、娘と母と私と3人で
楽しいお誕生日の一日を過ごしたのでした｡

志都呂にある
でっかいイオンタウンまで足を伸ばして
（でも長時間いるとアレだから夕方から出向いたりした）
買わないけども、アレいいなこれいいなショッピングっての？
そゆのやってきたの。

この間
ポットが壊れた件はとく子さんのエントリーに書いたとおりで
ショッピングスポットに出かけるやいなや
真っ先にポットを探したりする昨今なのですが
ポットと同時にグラタン皿ってのも探してましてね｡

ポットを電気式のものではないものにすることに決めたことから
予定より安く済みそうであるというのと
最近我が家で静かなブームとなっている
100円ショップに売っているマカロニグラタンね｡

アレが～
100円だってのに、めっちゃうまいんだわ｡
ママーのマカロニグラタンね｡
マカロニまで入っているので
非常に非常に助かるわけです｡

で、結構しょっちゅう作るんですが
よくよく考えてみたら
我が家にある食器群は全て
何かのおまけであるとか、誰かにもらったものであるとか
母が容赦なく持ってきたものであるとか
そんなんばっかしで

自分で納得して
欲しくて買ったものというのは1つも、1つもないのであります｡
コップくらいだね｡
でもあれも妥協の品だしな～｡みたいな。

グラタン皿が欲しいと言ったらば
母が待ってましたとばかりに『うちにたくさんあるから！！！』
と鼻息荒くして言うので
慌てて、これこれしかじかこういうわけで
グラタン皿くらいはね
ちゃんとしたのが欲しいですよ｡
もっと言ったら
グラタン皿だけは
妥協するくらいなら、今のままで
いただきもののタルト皿で我慢するのですよ｡

と言う旨とあわせて
まだ例題が足りない場合があるとアレだと思ったので
私が、そりゃもう、相当な思い入れをもってして購入した
ル・クルーゼのことを思い出してくれ｡と。ね。

あんなに重たくても、あんなに高くても
どうしてもどうしても欲しかったル・クルーゼ｡ね｡
やっと購入したときの喜び｡ね。
あなたも覚えているでしょう？と。

んでもって
その使い心地の素晴らしさ
アレで作れば何でも美味しくなってしまう魔法の鍋｡ね。
やはり拘りの逸品ってのは
高級だからとか言うミーハー心を満たすだけのものではないのですよ｡と｡

そしたら納得した母｡
で、買い物に出かけた際に
本当のところは欲しいものであるところの
そう。これまたル・クルーゼのグラタン皿をですね｡

行く前に、携帯なんかで楽天市場の画像などを見せたりしてね｡

本当はルクが欲しいのだけど
エミール・アンリで手を打ってもいいかなとか思ってると話すと
『それはいけないっ！
いつになるかわからなくても
ちゃんと納得いくものが欲しいって言っといて
それじゃあダメだよ！』
うお～｡
母｡大分一気に成長しましたよ｡

私の心、私の気持ち、コレをですね｡
納得できるようになり、尊重してくれるようになったですよ｡
あ～ん、嬉しいなあ、お母さん｡
思えばここまで長かったわけで｡
とか書き出すと
またセンチな感じになるから書かないけどさ｡

とにかくそんなこんなでショッピング｡

『あ～、やっぱルクは違うねえ｡
見た目も違えば
持った感じがまるで違う｡
やっぱあれだね～｡いつか欲しいねえ｡
お母さん、頑張るからねっ、まいちゃんっ｡』

などと
嬉しいことを言ってくれるようにまで成長した母｡

よって
買えなくてもとてもとても楽しいショッピングだったわけです。
面白かったのが
どんどんいろいろ見てるでしょ｡
専門店街なんてのを見て回ってる｡
オシャレな雑貨やさんもあれば
フトゥーにジャスコのキッチン用品コーナーもある｡
どんどん、どんどん見るわけ｡

で、いよいよ、本物のル・クルーゼね｡
さっきグラタン皿を見た時もそばに鍋があったんだけど
その時は気付かなかったみたいでね｡何故か｡
あとで別のとこで見たときにさ
あのハート型のダムールっていう鍋が
目に入ったみたいで
瞳をキラキラさせつつ
わ～♪これ可愛いね～♪といいながら
値札を見るって～と、24000円｡とか書いてあるわけ｡

それを見た母が
『安いじゃん♪』

って！
おかしいですから～～～っ！！
たくさん見たからって
一気に金銭感覚
麻痺させすぎですから～っ！！！

三人で大爆笑｡
子供の頃、憧れだった私の母｡
私にとって、かっこいい大人の女のモデルだった
そんな母も道すがらの車の中で

『お母さんも、だんだんねえ。
いろいろ言うこと効かなくなって来たんだよ』

ってポツリ｡
運転するのに自信がなくなったのだと寂しそうに｡
運転は自信満々だったのにね。
いろんな感覚と言う感覚が
自分の頭の中にある
自分の力量の記憶と違ってきてしまってるのね｡

今まではずっと
昨日よりレベルアップした明日の自分｡だったのにね｡
母は今、少しづつ少しづつ
昨日よりダウングレードな明日を迎えるようになってるの｡
私自身もだんだん、そうなってきているのを感じるから
母の気持ちがとてもわかって｡
たぶん私が思ってるよりもずっとずっと
母は感じていて
とてもとても寂しいのだろうなと｡

なんでも一人でちゃきちゃきやってきた人だけに
なんでも一人でテキパキとこなしてきた人だけに
いろんなことがすぐにずれてしまう
うまく出来るつもりで出来ない。
そんな自分に切ない思いを抱いているのでしょう｡

お～っと｡
やっぱセンチになっちまうじゃないか｡あれ｡あれ｡

ま、いいか。
何にせよ、母は大事にしたいものです｡
いろいろ憎しみもあるんだけどね｡
それも結局愛情の裏返しなの｡

まだまだしばらくは
娘と私と母と3人のチームだろうから｡
なるだけ無理なく
少しづつでもよりよく暮らすことをね、楽しんで行きたいなと｡
そんな風に思ったのでした｡

『65歳だなんて！おかあさん、そんなになるとは思ってなかったよ！』

ほんとだよね。お母さん｡
私もお母さんは永遠の38歳だと思ってたよ｡
だのに今、私が38歳｡
コーヒー炒れよっか｡
お母さんの大好きな映画が始まるみたいだからさ｡