ジェンダー外来に通い始めた初日の話をまだ書いてなかった。

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艦これにうつつを抜かしたり抜かさなかったりしている昨今。
元々ゲーマー、元々オタク気質満載であるがゆえに
いいように楽しんでいるわけだけども
やらない時は何日も一切やらず本ばかり読んでいたりするので
言うほどハマってない気でいるんだけども
いやいやいやいや、全力でハマってるよね。とかなりつつ。
さて。
二年ほど前にPTSDを発症してから
すったもんだしながら自宅療養のボクは
あれもこれもの症状が大満開花盛りで七転八倒し
まさにパンドラの箱の大開放となっているのであって
「臭い匂いは元から絶たなきゃダメっ!」っていう
昔々の何やらのCMの忘れがたき名キャッチコピーの言う通りに
元を辿らんとするけれど
自力では次々にネタが出現するばかりで混乱の一途。
そんな中、ここ数年の一番の苦しみであったところの
ジェンダー問題は手付かずだったのが
とある方の計らいによって、ようやく専門医に見てもらえることになり
先日初回を受けてきたわけです。
その話をしていなかったので書いておこうと思う。
 


ざっくりと一言で言うてしまうと
初日からいきなり
いーまんしぺっしょーほーん!ひぃー!
Emancipation / Prince
だったわけなのですが
自分の中の長きに渡り隠蔽されていたらしき
男性性の強さへの疑いを持ち始めてから換算すると
かれこれ、12年ほど経っている現在。
確信を持ってから換算すると6年ほど。
ちょうどその頃、セカンドライフの世界の住人になり
大いに全力投球したことも重なって
セカンドライフのせいでおかしくなってんじゃね?
というような懸念もあり
時はまたちょうど「ネトゲ廃人」という本が話題に上がるなどし
その時多分、多くの友人を失ったりもしたのだけれど
人に言われるよりももっとずっと強く
自分自身に対しては大きな猜疑心を懐き
人知れず、精神的な責め苦をし始めた頃でもあり
正直、何が原因とか言うとすれば
セカンドライフのせいでもなければ
インターネットのせいでもなく
十二分に幼少時から要素はたっぷり持っていたからこそ
あらゆる事柄をスイッチとして、次々に発動した感じであると思う。
従って
スイッチを入れなければよかった。というようなものでもなく
仮にボクがセカンドライフにハマらず
インターネットにも触れずにいたからとて
やはり同じようになっていたであろう
若しくは、もっと具合の悪いことになっていたのでは?と
考えられるものであって
ただこれを、証明しきれない苦さの中で
闇雲にわざわざ傷つくようなことばかりをチョイスしてきたようにも思う。
この世の出来事は全て必然である。というような説は
ボクの嫌いな理論の代表であるけれど
悲しいかな、確かにそう言うところはあるにはあって
そうなるべくしてなってきた今。という気がしてならないのだけども
それにつけても今となっては
社会に出られぬほど、まともな生活もままならぬほどの
得体のしれない諸症状が出まくるなどしていて
ただのジェンダー問題だけでは収まらなくなっているわけです。
この数々の得体のしれない諸症状だけに着目する(しかできない)
そんな精神科医ばかりしかいない近隣において
薬で安定させたからとて
薬でゆっくり眠らせたからとて
本件の髄には触れていないから良くなるにも限界があって
心身症を併発している兼ね合いで
体力も気力も「もうどく」の状態であるから尚更に具合が悪く
生殺し状態のようなまま
このまま何年も生きていくのか?死ぬまでこれなのか?
家族や周囲の人に迷惑しかかけない自分になってしまったまま
そんな邪魔な人間が生きていていいのか?などと
抑うつ症状は始終最悪の精神世界を浴びせかけ続けるのであって
そのダークな思考をゲームや映画などでごまかし続けるにも
限界が来るのを予期したりもしていた矢先に
本来であれば初診は3年待ちとも言われる先生に
診てもらえることになったラッキーでありました。
そんなこんなで
これ以上ないってくらいにこんがらがって複雑を極めている
ボクの精神世界の話は、小一時間で話しきれるわけもなく
かなり事前準備をしてかいつまんでまとめて話したつもりではあれど
これまでもそうであったように
体の良い言葉や態度であしらわれるだけなのではないかと
そう考えてもいて、それでも懸命に聞かれたことに対して答えて。
でもやはりめちゃくちゃだったはずで
怒涛のように話していたのに
いよいよ言葉を失って黙ってしまった時に
先生が注意深く仰ったことは
ボクが40代であることを踏まえたお話であり
今の若い世代のトランスジェンダーとは違い
ボクの世代が幼少期・思春期・20代という頃は
LGBTなんていう言葉もなければ
性同一性障害という概念はもちろん、単語すら知る人もいないような頃で
多くの人は考えもしないで当然であったということ。
そんな中で
子供の頃から自分の性に疑問を持つこと自体が
とてもとても稀なケースであり
ボクのように、まったくそれと気付かず
多少の違和感はあったとしても
まずそれに結びついていかず
強くそれを気にすることもせず
生まれたままの性で生きて当然と生き続けてしまうことは当たり前であり
また、生まれた頃から
この肉体で生きてきたのであるから
自分の体に強い嫌悪感を持つということ自体が
逆に言ったら不自然なことですらあって
ボクが生理現象や出産や女体であることに
他のトランスジェンダーの人の多くが言うような
所謂わかりやすい強い嫌悪感は持てなくても
何ら不思議がないということ。まったくの正常であるということ。
生まれたままの肉体に嫌悪感を持たないからといって
性同一性障害ではないというようなものではないということ。
然るに、ボクの言うように
肉体はこのままに、ただただ自分らしく生きたいだけだという
その気持ちの流れは、非常に自然で、且つ真っ当であるということ。
しかしながら
圧倒的に強い世間の風潮、通常概念というものがある中で
その「生きづらさ」のしっぽがつかめなくなっているのだろうし
対策も打てなくなって相当疲れているのだろうということ。
おおよそそんなようなことを
優しく語ってくださって、どんなに救われたかわからない。
出産もして、肉体に嫌悪もなく
子供達に「お母さん」と呼ばれることにも抵抗がなく
これまで生きてこれたんだから、やっぱ男じゃないじゃん。
何おかしなこと言ってんの?というようなものではないと
全肯定してくださったわけです。
しかしながら、実際どう見ても男ではありません。
それをこれから、医学的に立証する検査を行っていきます。
確かに、生物学的に肉体は女であるということ。
そして、肉体に病理がないか?ということ。
(身体的病理のせいで精神症状が出ることも少なくないため)
これらをはっきりさせながら
同時に、ボク自身の内面、精神世界を見つめ
「かく有りたい」という人間の当たり前の欲求の如何を見つめ
社会に出て、生きて暮らしていこうとする時に
どのようなことが問題になってくるのか。
問題に直面した時に、どう対処していけばいいのか。
共に解き明かしていきましょうと、そう、言ってくださって
これは精神科医として
とても当たり前の基本中の基本で
何も珍しいことでもないことなのかもしれないけれど
 

ボクはキチガイなんかじゃない。
危険人物なんかじゃない。変質者でもない。
気が狂れて、おかしくなっているわけでもない。

このことを、真っ直ぐに目を見て伝えてくださったことは
自分が思うよりもずっと大きなことであったようで
以来、嘘みたいに体中の痛みが取れ
動悸息切れも立っていられないほどではなくなり
過呼吸に陥ることもなくなり
なかなかに辛かった気絶眠もまったくなくなり
パニック発作においては、片鱗すら見えなくなり
自分と飼っているネコの日々の暮らしの諸事をこなす程度なら
苦もなくできるようになった。
まったく自分の生活状況は変わっていないけれど
割と明るく淡々とした平常心で
台所に立ち、手作りパンにチャレンジしたり
料理をしたりもできるようになった。
号泣発作や動悸息切れが出たまま
無理やり行うものではない
さくさくと普通にこなす料理はどれくらいぶりかわからない。
冒頭で、プリンスの歌を出して
ちゃらけた言い方をしてみせたけれど
ちゃらけていたわけではなく
本当に、歌いたい気分で、本当に、あれから始終歌っているからで。
前も気分のいい時は
YoutubeやCDなどに合わせて歌うことはあったけれど
こんなに気持ちよく軽く歌えるようになった
いや、歌わずには言われないほどの気持ちよさが戻ってきたということ。
ずっと願い続けていた
Emancipation(解放)の始まりの始まりが
ボクをのんきに気持ちよく歌わせたり踊らせたり
ゲームに出てくる艦娘達の台詞の真似をさせたりしている。
あの地獄のような鬱の暗闇に
二度三度となく何度でも繰り返し引きずり込まれて
何日も一人でのたうち回るような日々は
これからだんだん遠くなっていくのだという、確信に近い感覚がある。
とは言え、まだまだ不穏なところは残ってはいる。
でもそれもきっと、少しずつ薄らいでいくものと
口だけでなく、心から思えるようになった。
焦らず、ゆっくり、行きたいと思う。
願いや希望や野望が、前よりくっきりしやすくなってきたせいで
焦燥感でイライラしてしまうことが増えた気もするけれど
これはこれで、経過を辿ってるだけとも思う。
嘘がつけない真っ直ぐさだけが強みの自分なのだから
そのままに、丸出しで、先生にぶつけさせてもらいたいと思う。
きっと、良くなる。
良くなったら、またひとつ強くなれる。
そう、信じて。
 

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